ここでは一部、著書「悩まない人の考え方」に書かれている内容「原因解消思考と最終目的逆算思考」「アイスクリームのコーンが発明された話」を考察使います。「悩まない人の考え方」は、こちらに記事で紹介しています。
【悩まない思考アルゴリズム】「悩まない人」の考え方|WTR.DYNAMICS
マルチタスクができる人を見て・聞いて考察
人間は、マルチタスクができないと言われているようです。いつくかの本に書いてあるのを読んだことがあります。本当でしょうか?
私は(ほぼ全くと言って良いほど)マルチタスクができませんが、このような疑問を抱いたのは、身近に「明らかにマルチタスクができていそうな人」がいたからです。それは、一緒に住んでいる彼女です。2人で同じことをしていても、自分には気づきもしないことに当たり前にように気づけていたりして、思考の方向性が多角的と感じる事が多くありました。ある時、思い切って彼女の頭の中がどうなっているのか聞いてみました。すると、驚きの答えが返ってきました。「頭の中に、自分が3人いるんだよねぇ…」と。
頭の中に、自分が3人いる
どういうことか?と思いましたが、興味深かったのでいろいろ聞いてみました。頭の中に自分が3人いて、それぞれが独立に物事を考えているようです。これにより、1つの物事に対していくつかの視点から同時に物事を考えたり、それぞれが別の物事に思考を向けられたりするようです。決して多重人格ではなく、独立して何かをしている自分が頭の中に3人いるということだそうです。
…大変斬新な考えで驚きましたが、私はその答えを疑いはしませんでした。なんせ、3年半以上付き合っている彼女ですから、これまでに思い当たる節がいくつもあったのです。
外を歩いている時、なぜかガードレールに干されている片側だけ上履きを見かけた時のことです。私は「なんでこんなところに・・・?本当にここに干してるのかな?忘れ物かな?」と、「なんでこんなところに・・・?」を起点に、なぜここにあるかばかりを考察していました。それに対して彼女は、「なぜこんなところに・・・?この大きさなら小学校2~3生くらいかな?珍しい色だね」のように考えていたようです(解説してくれました)。まさに3人の自分が、それぞれ別のことを考えている状態です。
家で2人で夕飯を食べている時のことです。彼女に自分のスマホのカメラロールを見せながら、出張に行ってきた時の話をしていると、彼女はご飯を食べながらテレビを見てばかりでした。あれ、興味無かったかな?と思い、話をやめてしまいましたが、どうやらしっかりと聞いていたようでした。その時私は思いました。これがマルチタスクできる人か…と。確かに、自分は食べながら話すのが苦手なことを思い出しました。
思い返せば、似たようなことが他にもたくさんあります・・・。
3人の自分が同じ物事に向くと、驚異的な想像力を生み出す
3人の自分が、それぞれ違う方向から同じ物事に向けば、まさに3つの視点から物事を同時に見たり、3人の自分が分担して物事に取り組むことができるということです。自分では考えもつかないことを思いついたり、あらゆる視点から瞬時に物事を解決したりできるようです。頭の中の引き出しを使うスピードが早いというイメージですね。今目の前にある物事を把握する自分と、頭の中のどの引き出しを使えば良いかを考える自分と、選ばれた引き出しから必要な情報を出す自分が同時に動くわけです。
原因解消思考と最終目的逆算思考
原因解消思考は、1つの物事を1点から深堀りして考えを深めていくことに有効ですが、革新的なアイデアを出すのには向いていません。そのため、目の前の物事に行き詰まってしまうと、無駄にその問題を解決しようとして思い悩んでしまうのです。それに対して、最終目的逆算思考なら、「何がどうなったら良いか?」に焦点を当てて、その最終目的に向けて3人の自分を同時に動かします。
確かに彼女は、自分がよく悩みがちなことに対してあまり悩んでいないように感じることがありました。私にとって革新的だった「悩まない人の考え方」が、最初から備わっているのかもしれません。
アイスクリームのコーンが発明された話
「悩まない人の考え方」の一節に、アイスクリームのコーンが発明された時の話が書かれていました。アイスクリームはゴミが出てしまうが、お店の周辺にはゴミ箱を置けない、ではどうすれば良いか?という問いです。ここで、ゴミをどうするか…にフォーカスしてそこを解決しようとすると、悩みの沼にハマってしまうように思えます(そこから出てくる解決策はあるかもしれないですが)。「アイスクリームはゴミが出るもの」という先入観から、広い視野で考えられていない結果です。それに対し、「ゴミが出ないアイスクリームにするにはどうするか?」と視点をずらし、全て食べられる素材で作れば良いというアイデアが出てきて、アイスクリームのコーンが発明されたとされています。
このように、頭の中に自分が3人いれば、1つの視点にとらわれない「水平思考」が得意で、画期的なアイデアが出てくるように思えます。自分では思いつきもしないことを、彼女は容易に思いつくのです。
3人の自分が別の物事に向くと、マルチタスクができる
これこそ、まさにマルチタスクですね。まるで自分が3人居るかの如く、3つのことに同時に目を向けられます。それも、3つのこと全てパフォーマンスを落とさずに取り組むことができます。自分のことをしつつ、他人に目を向けられたりと・・・・まさに驚異的ですね。さらに、3つの仕事に同時に取り組むこともできれば、仕事を進めながら娯楽を楽しむこともできるようです。
動画を見ながら勉強や仕事をする人
彼女はなぜか、家で仕事をしている時、Youtubeでゲーム実況を見ながら仕事していることがあります。・・・それで集中できるのか?Youtubeはおろか、音楽を聞きながらでさえ仕事や勉強ができない私からしたら、一見そう思ってしまいます。しかし、彼女は、Youtubeを見ながらのほうが仕事が捗るそうです。どうやら、3人いる自分は、常に何かしらに目を向けていないといけないようです。自分が3人フル稼働しなくても良い時は、そのうち1人をYoutube鑑賞であえて休ませているのかもしれません。
マルチタスクできる人同士の会話はもはや異次元
クリエイティブさが求められる仕事をする人に多いようです。彼女は、職場や昔からの友人では同じタイプの人が多いようです。例えば、
後輩ちゃん「あの、◯◯がわからなくて・・・」
彼女「あ、それはね、まず✕✕を開いて・・・」
後輩ちゃん「あ、わかりました!」
・・・!?まだ何も説明してないよね?
おそらく、お互いが驚くべきスピードで頭の中の引き出しを探した結果、周りからは理解できないスピードで会話が進むのだと思います。友人同士でも、このような感じで通じ合えるそうです。
そうなると、気になることがあります。彼女は、シングルタスクしかできない人と会話をする時は、理解のスピードが違い会話が合わずストレスにならないのでしょうか。直接聞いてみたら、実際全くストレスではないというそうです。・・・気を遣ってくれたのでしょうか?まあ、そこは深追いせず、聞いたままに受け取ることにしましょう。
マルチタスクもメリットばかりでない
頭の中の3人の自分がいて、かつその3人の自分は常に働いていないといけない。つまり、同時に3倍エネルギーを使うので、持続力が長くないということがデメリットです。現に、彼女は仕事から帰ってきて、そのままソファやベッドで寝てしまうことがあります。私はあまり間食を摂らないですが、彼女は常になにか飲み物やお菓子を手にしていることが多いのも、エネルギー消費量の影響かもしれません。さらに、マルチタスクできる人どうし、お互い頭の回転が早く、意見がぶつかり合ってしまうこともあるようです。
マルチタスクできる人/できない人には、それぞれに強みがある
ここまで、マルチタスクできる人の強みをメインに書いてきましたが、マルチタスクできる人が一概に優れていると言えるわけではありません。そもそもの頭の作りの違いなので、多様性でもあり、お互い得意とする分野が違うということです。マルチタスクできる人/できない人の、それぞれの強みを考察しててみました。
マルチタスクできる人
・複数のことを同時にこなせる
・複数の視点から物事を見て、創造的なアイデアを出す
・様々なタイプの人と関わる機会が多く、コミュニケーション能力が高い、そこから得られる知識の幅が広い
マルチタスクできない人
・1つのことを1点から掘り下げて深く考える
・持続力がある
・専門性を高めやすい、ある特定の分野を極めやすい
おわりに
今回、「頭の中に自分が3人いる」という考えを仮で受け入れ、そこから実際に観測できる事実の根本を考察してみました。私は、頭の中にいる3人の彼女を直接観測したわけでは当然ないですので、飽くまでも考察の域を出ないことにご注意ください。(実際目に見えない存在を仮定して、目に見えるマクロな現象を説明しようとする、なんとも量子力学っぽいですね…)
ある日、家の近所の焼肉屋で彼女と2人で食事していた時のこと。ここで書いた内容をそのまま会話していました。2人で飲みに行くと、「こういう話がしたかったんだ!」という会話ができることが多く、大変面白いです。決して真面目な話ではなく、面白いお話として会話していました。私とは違った柔軟な考えを持つ彼女なので、話しているだけで生きる活力が湧いてきます。自分とは逆のタイプの人とタッグを組むことで、自分の考え方の幅も広がり続けるのかと感じます。